Fukuta et al. (2019)

この研究は,第二言語のライティングにおけるランゲージングの効果を検証したものです。従来の研究では,修正時のプロダクトに対してランゲージングの影響を見るものが多かったですが,今回は新しいプロダクトを書く際にどのような変化が見られるかを観察しました。ランゲージングのみを行う群と,間接的フィードバック(誤りが’含まれる箇所に下線を引く)を受ける群に分かれ,3段階のライティング課題に取り組みました。結果として,フィードバックを受けたグループは文法面に対してランゲージングのみの群よりも多くの修正を行っていたのに対して,最終的に新しくライティング課題に取り組む際には修正時に見られた文法への注意の影響はなくなっていました。つまり,フィードバックを受けることによってもたらされたメタ言語的な修正が必ずしもライティングの質を向上させるわけではなく,ランゲージング行為そのものがライティングの質に影響を与えているということが示唆されました。

Fukuta, J., Tamura, Y., & Kawaguchi, Y. (2019). Written languaging with indirect feedback in writing revision: Is feedback always effective? Language Awareness, 28, 1–14.  doi:10.1080/09658416.2019.1567742

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